本年4月より学長を務めております石崎泰樹です。高田邦昭第11代学長のもとで始まり、平塚浩士第12代学長のもとで強力に推進された群馬大学におけるダイバーシティ環境実現を、さらに積極的に進めていきたいと考えております。就任時に提示した「学長ビジョン2021」でも、「ダイバーシティの推進、多様な人材の活用による大学運営の活性化」を重点事項として挙げています。
群馬大学は、平成25年に男女共同参画社会の実現に向けた全学の取組として『国立大学法人群馬大学男女共同参画推進基本計画』を策定し、『男女共同参画推進室』を設置しました。またこの年に文部科学省の「女性研究者研究活動支援事業(一般型)」の採択を受け、3年間「繭玉(まゆだま)プラン」の実行に着手しました。この実績が評価され、平成29年度「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ事業」に申請した「まゆだまプラン アドバンスト」が採択され、男女共同参画推進室の活動をさらに発展させ、女性研究者の増加だけではなく、女性研究者が持てる能力を発揮して研究や運営のリーダーとして活躍できる環境の充実をめざしてきました。令和2年4月にはダイバーシティ推進を実行するための体制を強化し、「ダイバーシティ推進センター」を設立しました。令和2年6月には、学内で女性研究者が活躍しやすい環境づくりと女性教職員の登用、育成に継続的に取り組み成果を上げていることに加えて、県内16の大学・高専が参加する『ぐんまダイバーシティ推進地域ネットワーク』 の構築・運営を行うなど、学内にとどまらず本県の女性活躍を後押ししていることが高い評価を得て、「ぐんま輝く女性支援賞」を受賞しました。 令和2年11月には、「理工学府女性限定公募」や「医学系上位職ポストアップシステム」、女性研究者に対する「大学独自の研究費助成」、「ぐんまダイバーシティ推進地域ネットワーク」の構築・ 運営など、長年にわたる地道な取り組みが認められ、取り組みの結果、女性研究者や理工学府博士後期課程における女子学生の割合が大きく増加したことや、支援の継続に関する効果を詳細に分析し、支援の意義の裏付けを示すことが「女性研究者の研究力に関する無意識のバイアスの是正」につながっているとして高い評価を受け、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が創設した、第2回「輝く女性研究者 賞(ジュンアシダ賞)」の「輝く女性研究者活躍推進賞(機関受賞)」を受賞しました。
「ダイバーシティ推進センター」が、男女共同参画の推進はもとより、 人種や国籍、障がいの有無、性自認・性的指向など、さまざまな背景を持つ構成員の多様性を尊重し、本学の全ての構成員がその能力を十分発揮できる環境づくりへのさらなる原動力となることを願っております。